スポット罫線【スポットけいせん】
●光の点の走査で罫引き
写真植字は本来文字を印字するものですから、罫線などの作図は版下に描き込んだり、全角分の罫線用の文字盤を連続印字したり(───のように)していました。
しかし、手書きでは線の太さにムラができたり、始点や終点を綺麗に処理できなかったりすることがありましたし、罫線用の文字盤の連続印字では微妙な線長の印字ができなかったり写植機の調整具合によっては罫線がガタガタしたりしました。
1973年に発表されたPAVO-Kでは、これらの問題を解決すべく「スポット走査方式」による罫引きが導入されました。

スポット罫線の文字盤(BB-LB)
これは、線の太さ分だけ(点状)の光を通すマスクを持った文字盤に光源からの光を当てながら、印画紙を相対的に移動させる(写研機ではプリズムなどを用いて光軸を変化させ、モリサワ機ではマガジンを走行させる)ことで連続した線の像を印画紙に与えるという仕組みです。
こうすることで、長さに柔軟に対応し(下限は3ミリ、印字領域から内側4ミリの助走区間が必要)失敗やムラのない罫引きが実現しました。記憶機能との組み合わせによって作表などが文字と一体でできるようになり、版下作業が軽減されました。
罫線の長さの指定に記憶機能を用いた印字の他、送り量を入力する方法もあります(任意罫線)。記憶を用いた罫線・任意罫線のいずれも複数行を一度に引くことができます。
PAVO-KYでは縦横組み方向のスポット罫線(けい線1)のほか、記憶同士を結ぶ斜線(けい線2)、円・円弧・楕円(円組み+けい線1)も引くことができます。
●印字可能な罫線の太さ
0.08、0.1、0.12、0.15、0.2、0.25、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.2、1.5、2.0、3.0(単位mm)
●本機能の搭載状況
| 縦横・斜め・円・円弧・楕円 |
PAVO-KY |
| 縦横 |
PAVO-9、-10、-JL、-JV、-K、-K2、-K3、-KL、-KS、-KV、-KVB、-B、-B2、-BL |
| 非搭載(不明含む) |
上記以外の機種 |
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