| ●写研/鈴木勉 | 1974年 |
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●“スーボの鈴木さん” 「タイポス」「ナール」といった“新書体ブーム”に湧いた昭和40年代以降は、書体の既成概念を打ち破る新しい作風の書体が多数生まれました。その中でも最も斬新かつ独特な容貌を持つ書体が今回お届けする「スーボ」です。 「スーボ」は1972年、写研の社員だった鈴木勉氏が「第二回石井賞創作タイプフェイスコンテスト」で最優秀賞となった書体で、その2年後に発売されました。鈴木氏は受賞当時23歳という若さでこの完成度の高い書体を制作して類稀な才能を発揮した訳ですが、その後20年弱にわたって写研に在籍し、「スーシャ」「ゴーシャ」「本蘭明朝」といった名作書体を産み出し続けました。 「スーボ」の特徴は、これ以上太くしようがないぐらい極太な丸ゴシック体の画線をくい込ませた処理による可愛らしくユーモラスなデザインです。この処理は既存の書体にはなかった手法で、その後も類似書体が発売*されようと揺るぎない独特の地位を保っています。1980年代には仮名のくい込みをさらに強調した「スーボB」も発売され、スーボのアイデンティティを強めました。 発売当初はディスプレイ(見出し)書体がまだ少なかったこともあってか当時からよく使われたようです。写植の全盛期にはチラシや雑誌、レコードジャケットや児童書、おもちゃのパッケージ等に幅広く使われ、印刷物のアクセントとして大いに活躍してきました。現在ではその出番は少なくなってしまいましたが、漫画の吹き出し等で頻繁に使われています。 字游工房から送っていただいた『鈴木勉の本』によると、鈴木氏は写研在籍当時「スーボの鈴木君だよ」と紹介され、「スーボ」の書体のイメージそのままの方だったといいます。鈴木氏はまだ若くして亡くなりましたが、「スーボ」は彼の分身として永く生き続けることと思います。 ●ファミリー スーボ BSU 1974 *類似書体……「AR黒丸(白丸)POP体」(ARPHIC社製)があるが、食い込み処理が雑でお世辞にもプロの制作とは思えない出来で、商業使用で見かけたことは一度もない。人のアイディアをパクりさえすればいい訳ではないことのよい例だと思う。 2006.12.13
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