
| ●写研 | 1985年 |
|
●元祖POP系書体 現在、「POP体」と呼ばれる書体がたいへん多くなりました。それらと生い立ちは違うのですが、POP体の元祖と言ってもよい書体がこの「ゴカール」です。 「POP広告」(Point Of Purchase Advertising=購買時点広告)はスーパーマーケットの値札やチラシなどを指すことが多いようですが、かつては専門のデザイナーが手書きで作っていました。その後POP広告にもやはりコンピュータでの制作が導入され、POP体が登場するのでした。1990年代中盤から「DFP POP1体」(ダイナコムウェア)や「創英ポップ体1」(創英企画)などがよく使われていると思います。 「ゴカール」は元々「ゴナ」との混植用に作られた仮名書体で、真面目で非の打ちどころがないゴナの仮名をゴカールに替えて組むと、親しみのある楽しい雰囲気に一変します。若者向けの雑誌や新聞広告、折り込みチラシによく使われましたので、見たことがある方も多いのではないでしょうか。(私が初めて「ゴカール」を意識したのは、たしかファミコンのゲーム『スーパーマリオブラザース3』の取扱説明書でした・笑) 特徴は、角形の極太マーカーで一気に書いたような丸い画線で、定規で引いたような直線部分がありません。線の太さはほぼ均一なのですが、手書きの勢いを感じさせます。また、画線のつける・離す、はねる・はねないなども厳密でないため(上図参照)、太字でも印象が重くならないようになっています。こういった要素が現在のPOP体と共通していて、親しみを感じてもらう(商品に目を引き付ける)のに一役買っていると思います。 現在ではこの「ゴカール」が使われているのを見かけることは少なくなってしまいましたが、1997年には電算写植(組版システム)用に総合書体(漢字・仮名共に存在する書体)化され、NHKとTBSのテレビ字幕でその姿を見ることができます。もっと早く漢字も完成していたら、ゴカールが今以上に使われていたことでしょう。POP系書体の元祖であり、完成形であるのがこの「ゴカール」であると思うのです。 ●ファミリー ゴカールL 1985 ゴカール(漢字)E、H、U 1997 2005.4.23
|